小説のブログ記事
ネクロポリスⅡ
老人は暗い森で道を失った 少し歩くとツタの垂れ下がる桜の老木に出くわした 九分咲きの花びらが白々しく揺れている 幹には沢山うろが開いていて 一つひとつに少年たちの蒼ざめた顔が埋め込まれていた どいつも見覚えがあるけれど 思い出したくない顔ばかりだった 「とうとう来やがったな」 老人は無言のまま通り... 続きをみる
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