詩人 響月光のブログ

詩人響月光の詩と小説を紹介します。

2020年12月のブログ記事

  • 戯曲「ツチノコ」一三 & エッセー

    エッセー GAFAという世界国家 (一)  太平洋の底には、太平洋プレートやフィリピン海プレートと呼ばれる巨大な岩盤があって、日本列島の下に年間七、八センチほどのスピードで沈み込んでいる。日本の土台はこの軋轢に耐えられなくなると、撥ね返って大きな地震を起こす。  こんな危険な土地に高層ビルを建てる... 続きをみる

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  • 戯曲「ツチノコ」一二 & 詩

    詩 理想郷 僕は未来の夢を見た 北京に置かれた一台のAIが この星のすべてを動かしていた 巷で活動するロボットたちは そのAIを「将軍様」と呼んでいた 彼らは将軍様の制御で働いていた 人間はすべての労働から解放された いや、すべての労働から疎外された すなわち、世界中のすべての運営権を剥奪された ... 続きをみる

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  • 戯曲「ツチノコ」一一 & 詩

    詩 自殺者への挽歌 生きていることは偶然に過ぎないのに なぜお前は必然のように死んだのだろう 人々はトビウオのように蒼い海原から舞い上がり たちまち空の重みに耐えかねて 深海に戻っていく 嗚呼かつて誰も答えてくれなかった海の底には 忘却の川から流れ出た濁流が渦を巻きながら お帰りなさいとまとわり付... 続きをみる

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  • 戯曲「ツチノコ」一〇 & 詩

    詩 救命びとの心 気付いてみると 私の心は社会が所有し 社会が責務を課していたのだ 私の心は社会が監視し 社会がコントロールしていたのだ 肉体は朝から晩まで苛酷な戦いを強いられ 救われたわずかばかりの命で 死ぬほど疲れた心を養わなければならないのだ ボロボロの心が解放されるときは暗闇の中 傷だらけ... 続きをみる

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  • 戯曲「ツチノコ」九 & 詩

    詩 ハンスト・エレジー 僕はレストランでステーキを頬張りながら あの断食芸人のことを思い浮かべているのだ なぜ死ぬまで断食を続けなければならなかったのだろう きっとあいつの体は純粋で 異物を体内に取り込みたくはなかったに違いない おそらくあいつは僕以上に偏屈な男で 外部から栄養を取らなければ死ぬと... 続きをみる

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