詩人 響月光のブログ

詩人響月光の詩と小説を紹介します。

2020年2月のブログ記事

  • ロボ・パラダイス(二十四)& 詩

    詩 たわし君の唄 めげちまったら たわし君を思い出そう あいつの体はハリネズミ でもプロテクターなんかじゃない あいつを買ったご主人様が 容赦なく背中を引っつかみ 汚れ仕事のフロンティアへと 力任せにグイグイ押し当てるのさ あいつはキュウキュウと毛を逆立て 立派にやり遂げようと頑張るんだ プロフェ... 続きをみる

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  • ロボ・パラダイス(二十三)& 詩

    詩 都会の野生人 あるとき太古の昔から 野蛮な男が都会にやってきた 腹が減っていたので八百屋に入り バナナをムシャムシャ食べてしまった おまわりが二人やってきて捕まえて 小さな檻の中に入れてしまった イノシシのように臭かったので 医者が呼ばれて消毒し、からかった すべてのバナナに所有者がいることを... 続きをみる

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  • ロボ・パラダイス(二十二)& 詩

    詩 フランス料理の極意 モンマルトルの汚らしい袋小路に ★マイナス三つの 客の入らない料理屋がある 時たま蜘蛛の巣にかかった蛾のように 日本人が迷い込むと 蜘蛛のように尻の太ったガルソンがやってきて 薦める料理が カオスという名のビーフシチュー この料理を食べるとフランスのすべてが分かるのです 料... 続きをみる

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  • ロボ・パラダイス(二十一)& 詩

    鎮根歌Ⅰ 聖者 村人は彼を「木の聖者」と讃えた 聖者は木になろうとしていた 拡げた両手はそのまま枝となって固まった 大樹にはなりえない貧弱な老木 しかし風雨に耐えながら何年も朽ちることはなかった 悟った者は死ぬ必要もないだろう 死すべきときに迎えがやってくるだけなのだから 神は遠い昔に死んで 聖者... 続きをみる

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  • ロボ・パラダイス(二十)& 詩

    詩 アリの告白 俺はワン・オブ・ゼムの働きアリだ しかし母親は選ばれし女 女王アリ 俺は高貴な王族の血筋を受け継いでいるが ほかの有象無象もそう言い張るのだから意味もない しかしおれはやつらと少しばかり違う 少しばかり頭がおかしいという少しばかりの優越感だ あくせくがむしゃらに働くやつらをバカにし... 続きをみる

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