ロボ・パラダイス(十九) (十九) フランドルはヨカナーンの執務室に招かれ、二人だけの作戦会議が行われた。 「君は殺されたが、ロボットになってここにいる。この私もそうだ。不思議なことだと思わないか?」 「きわめて不思議だ。民族浄化を進める連中にも、神を畏れる気持ちがあるのだろう」とフランドル。 ... 続きをみる
2020年1月のブログ記事
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ロボ・パラダイス(十八) (十八) 強制収容所とロボ・パラダイスを繋ぐ道路はなかった。それは、この収容所が造られたことに関連していた。ここに収容されているロボたちは、ある支分国家で迫害を受けている民族なのだ。彼らは民族運動を展開したため、地元の収容所に入れられて再教育を受けたが、どうしても教育で... 続きをみる
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ロボ・パラダイス(十七) (十七) ジミーとグレース、トニーの三人は、長年放置されていた月面探索車を修理して太陽電池システムを復活させ、ある場所に向かって走らせていた。そこは地球連邦政府が最近建設したパーソナルロボの強制収容所第一号で、ロボ・パラダイスの南二十キロほどのところにある。監視カメラは... 続きをみる
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ロボ・パラダイス(十六) (十六) 田島は秘密会議に出席するため、放送局に出向いた。会議室はあらゆる電波から遮断されていて、入る前には入念なボディチェックがなされる。公務員三人と、プロデューサ、ディレクタがすでに着席していて、田島を見ると全員が立ち上がった。プロデューサが「先生、こちらの席へ」と... 続きをみる